平成28年度「自殺未遂者支援に関する研修会」開催報告
福山・府中地域保健対策協議会 うつ・自殺対策医療連携協議会では,当圏域におけるうつ・自殺対策に取組んでいます。その背景として,本県では年間約500人,当圏域では年間約100人の方が自らの命を絶っており,15~39歳の死因の1位は自殺であるなど,深刻な社会問題となっています。
自殺未遂者は少なくとも自殺者の10倍はいると考えられており,自殺対策を進めていく上で,自殺未遂者の再企図を防ぐことが重要な課題です。自殺未遂者の現状を知り,自殺未遂者支援対策の理解を深めることを目的に研修会を開催しました。
自殺未遂者支援に関する研修会
開催日時 平成29年1月20日(金) 19:00~21:00
開催場所 福山市医師会館 4階 演習室
参加者数 77名
【プログラム】
19:00 開会あいさつ
福山・府中地域保健対策協議会 うつ・自殺対策医療連携協議会会長 平田 教至
19:35 【講演】
演題「自殺未遂での救急搬送の実態・対応の現状及び自殺未遂者対策に向けた支援について」
講師 福山地区消防組合消防局警防部救急救助課長 片岡 克訓 先生
福山市民病院精神科・精神腫瘍科科長 医師 平 俊浩 先生
倉敷中央病院総合診療科 臨床心理士 今村 隆 先生
21:00 閉会あいさつ
福山・府中地域保健対策協議会 うつ・自殺対策医療連携協議会会長 平田 教至
【講演内容】
自殺未遂での救急搬送の現状を福山地区消防組合から,救急搬送後の対応について三次救急医療機関である福山市民病院精神科医師から,具体的にお話しいただきました。自殺未遂者の現状は,若年層の女性,大量服薬によるものが多く,背景には経済問題,家庭問題や精神疾患等様々な要因を抱えている。適応障害・神経症患者の自殺も多くなってきており,医療以外の社会的な介入が必要である。
自殺未遂者支援対策については,行政と救急医療機関で先駆的に取組まれている倉敷中央病院臨床心理士から,お話しいただきました。この事業において,自殺未遂者に多職種が関わることで,自殺企図に至る要因が解決したり,継続支援により再企図防止に繋がっていることをお話しされました。当圏域においても再企図防止のため,救急・医療・行政等関係機関の連携の必要性を認識しました。
研修会の様子はこちら(PDF)